好きな騎手のいた福島から、居住地方面の大レースを眺める
4月14日。
福島競馬場に、ハトマークワルツが勝利の算段があったので強行遠征。
まず思ったのは、小坂忠士がJ.G1に乗らないのは何年ぶりだろうか。
もちろん、馬との巡り会わせがあるのだが、やはり今回は乗る馬がない、乗らないという事実が目の前にあった。そして土日は福島騎乗。
平地で勝てることももちろん嬉しいのだが、大一番にいないことへの疎外感を勝手に背負ってしまう。
見たかったハトマークワルツは、福島8Rで最後の直線で先頭をきったものの、差し足鋭い馬に差され3着。
レースが終わると、私は付き添いの人間に合わせて動き、11Rを静して待つ。
緊張と不安でひとり涙交じりになるモニター前。
カウントダウン、ファンファーレ、発走。
最後の4角は、既にオジュウの独断場。
アップだって決して悪くない。が、相手が化け物の飛越、走りだった。
感嘆した、驚嘆した。自然と涙が出た。
全馬完走できたことに安堵し、王者をたたえたその直後。
凄く胸が苦しくなった。
「この怪物に挑んで勝つにはどうしたらいいの」
「小坂のお手馬でこの怪物に挑むにはなにが必要なの」
「小坂が築いてきた、女傑コウエイトライとの記録はこんな堂々と破られるものなのか」
どれだけ考えても辟易する。
恐らく同じ場所からモニター越しに見ていた小坂騎手。
この場にいないレースを、どう感じ、今後どうしようと考えたのか。
この日彼が勝っていたら、真っ先に聞きたかった。
この日、中山にいても同じことを私は考えていたに違いない。
置かれた状況を考えるのも大事だが、障害レースはまだ続く。
ダークホースやニューホープが出てくる可能性、そして願わくば小坂騎手の勝利を見に、私はまた競馬場で障害レースと巡り合うのだ。